2020年10月30日金曜日

Q:冬の健康対策は?(食養生のポイント)27号

 Q:冬の健康対策に効果のある食養生のポイントをおしえてください。

 

A 暦の上での冬は「立冬」から「立春」までの3か月、現在では12月から2月末頃が冬と考えられています。寒さと乾燥が益々強くなる季節です。冬は寒さの影響で新陳代謝が落ちたり、活動量が減ったりします。体の中では、気、血が停滞しやすくなります。そこで負担になりやすいのが身体の水分代謝を司る「腎」です。ここに該当するのが尿を作る腎臓、尿を蓄える膀胱、生殖器、ホルモン、免疫系で「生命力の貯蔵庫」とも言われ、冷えを嫌います。生ものや冷たい飲み物などは避け、体を中から温める気血の巡りをよくする食材や「腎」の働きを助け免疫力を高めてくれる食材、体を中から潤し乾燥予防する食材を意識して取り入れると良いでしょう

 

<冬の食養生のポイント>

   ①体を中から温める

   ②「腎」を養う

   ③気血を補い巡らせる

   ④体を潤す

 

<おすすめ食材> (「腎」を補うものは黒色の食材)

 

 体を温める食材:ねぎ、ニラ、ニンニク、生姜、鶏肉、えび、栗、シナモなど

 腎の働きを助ける食材:黒米、黒ごま、黒豆、黒きくらげ、海藻、牡蠣、くるみなど

 気血を巡らせる食材:ゆず、みかん、きんかんなどの柑橘類

 体を潤す食材:きのこ類、大根、ほうれん草、春菊、豆腐、など

 

 鍋物やお正月のおせち料理の食材に多く使われています。自然の恵みとは良くできたもので、冬の食材には冬の食養生に合うものばかりですね。寒い季節は体を温めようとエネルギーを消費します。毎日きちんとバランスのとれた食事をとることも大切。ここに紹介した食材を取り入れて、おいしく食べて健康的に冬を乗り越えていきましょう。

2020年10月18日日曜日

Q: 便秘に効く食べ物は?

 Q:便秘によいと思って、バナナやヨーグルトをとっていますが、効果がありません。どうしてでしょう?

 

A:<便秘のタイプによっては、バナナが逆効果になることも!>


 体内の有害物質を外に出す排便は、健康を保つ上で大切なこと。慢性的な便秘は、食欲不振や肌荒れ、冷え、頭痛など様々な不調を引き起こす原因にもなります。しかし、便秘にいいと言われる食材でも人によっては逆効果になることもあります。


 自分はどのタイプなのか。それに合わせて食べ物を工夫出来ると便秘解消の糸口になります。

 

(食養生から考える便秘の原因)

1)「熱がりタイプ」(腸内の熱による便秘)熱がり、脂っこい物や辛い物の食べ過ぎやお酒の飲み過ぎによって腸内に熱がこもって乾燥し、潤いを失い便が出にくくなるのが原因。まずは食生活の改善を心がけ、体内の熱を冷まして腸の潤いを保つよう心がけましょう。


2)「ストレスタイプ」(気の詰まりによる便秘)ストレスによる緊張や、座りっぱなしの生活、トイレを我慢する習慣などで気の流れが停滞し、胃腸の働きが悪化して起こる。リラックスが何より大切。ストレスを上手に発散し適度に体を動かすことを心がけましょう。


3)「冷えタイプ」(冷えによる便秘)冷え性、虚弱体質、疲労、冷たい物のとりすぎで下腹部が冷え、胃腸の働きが低下して起こる。冷たい物は控え、温かい料理がおすすめ


4)「エネルギー不足タイプ」(気の不足による便秘)虚弱体質や疲労、慢性疾患などで気が不足し、胃腸の働きが低下して起こる。排便力がなく便秘になる。まずは基本的な体力をつけ、胃腸の働きを高めることが大切。


5)「血(けつ)不足タイプ」(血の不足による便秘)欠食などによる栄養不足、病後、産後、過労、貧血などで血=栄養が不足して胃腸の潤いが足りず働きが弱まり、便を出す力が衰えることが原因。足りない血を補いながら、体を整えましょう。

 

(タイプ別にとりたい食材)

熱がりタイプ:きゅうり、トマト、ゴーヤ、ごぼう、冬瓜、バナナ、すいかなど熱を冷ます寒涼性の食材がおすすめ

ストレスタイプ:玉葱、ピーマン、セロリ、らっきょう、そば、ゆず、ジャスミンなど気の巡りを良くする食材がおすすめ

冷えタイプ:ラム肉、鶏肉、エビ、にら、ネギ、にんにく、生姜、シナモンなど体を温める食材がおすすめ

気(エネルギー)の不足タイプ:くるみ、カボチャ、山芋、なつめ、りんご、いちじくなど体力をつける食材がおすすめ

血の不足タイプ:レバー、きくらげ、ほうれん草、人参、牡蠣、あさり、黒ごま、クコの実など足りない血を補う食材がおすすめ

 

<便秘になりにくい生活習慣を>


便秘は日常の生活習慣が原因になっていることが多いもの。


食事はもちろん適度な運動を心がける、しっかり睡眠をとる、ストレスを上手に解消する、トイレをあまり我慢しない、など生活面での工夫も大切です。