2022年3月16日水曜日

Q:「逆流性食道炎」を食事の工夫で予防改善できますか?

A:「逆流性食道炎」とは、胃の内容物(主に胃酸)が逆流することで食道に炎症が起きる病気です。胸やけやゲップ、胃がもたれる、呑酸(酸っぱい胃液がこみ上げる)が主症状です。昔は日本人では少ないとされていましたが、食生活やライフスタイルの変化、ストレスなどにより、最近はかなり増えてきていると言われています。



<どんな人がなりやすい?>

これらの症状の原因は、食べ過ぎ飲み過ぎ、辛い物や味の濃い物、脂肪の多い食事、食べてすぐ寝てしまう、喫煙、ストレス、肥満、長時間のパソコンなどでの猫背など悪い姿勢、加齢などがあります。「私もそうだ」と思い当たる項目が何個かある人も多いのではないでしょうか?これらの原因の解消が予防改善に繋がるということになります。

<予防改善のための食習慣生活習慣改善ポイント>
・よく噛んで食べ過ぎを防ぐ(肥満予防にもつながる)
・食べてすぐ寝ない(できれば寝る3時間前には食事をすませる)
・脂っこい食事はほどほどに(特に夕食は消化の良いものを)
・辛いものなど刺激の強い物のとり過ぎは避ける
・パソコンなどの長時間前かがみの姿勢は避ける(時々休憩をはさみ体を伸ばす)
・ストレスを上手に発散する工夫を

<薬膳からのタイプ別対策>
東洋医学では、この病気は「脾胃」や「肝」の不調によるものと考えます。
同じ「逆流性食道炎」でも原因が異なるタイプがあり、対策も違ってきます。

①    胃寒(いかん)タイプ:生ものや冷たい物の飲食により胃が冷え悪化する。
おすすめ食材➡︎ネギ、生姜、玉ねぎ、ニラ、シナモン、鶏肉、えびなど温める食材

②    胃熱(いねつ)タイプ:辛い物や味の濃い物、脂っこい物を食べることで、胃に熱がこもり、その熱が上昇して胸やけなどが生じる。
おすすめ食材➡︎緑茶、レタス、きゅうり、セロリ、豆腐、バナナなど胃の熱を冷す

③    肝気犯胃(かんきはんい)タイプ:ストレスなどの影響で、胃腸の働きをスムーズにする「肝」が不調となり、食べ物を下へ降ろす「胃」の働きが弱ります。
おすすめ食材➡︎みつ葉、陳皮、大豆製品、ジャスミンなど気の巡りを良くする

④    食滞(しょくたい)タイプ:暴飲暴食や脂っこい物や甘い物、味の濃い物の食べ過ぎで未消化物が停滞し、胸やけや吐き気、ゲップなどが生じる。  
おすすめ食材➡︎キャベツ、大根、かぶ、白菜、しそなど消化機能をサポートする

食習慣生活習慣を見直し、合わせてタイプ別におすすめ食材も取り入れてみてください。
「逆流性食道炎」は食事でも予防改善できると思います。

2021年7月16日金曜日

発酵食品の効果は?

 Q:コロナ対策で、発酵食品をとる人が増えていると聞きます。どんな効果がありますか?

 

A<発酵食品は、腸内環境を整え体の免疫力を高める>

 

 変異ウイルスも現れ、なかなか収束のめどがたたない新型コロナウイルス感染症。

 ウイルスを完全に避けることは難しいこと。それゆえ一人一人が自身の免疫力を落とさず、ウイルスに負けない体作りを心がけることが大切になってきます。免疫細胞の6~7割が腸管に存在しています。それゆえ、腸内環境を整えることで免疫細胞が活性化し、免疫力を高めることにつながります。発酵食品は善玉菌を増やし腸内細菌のバランスを整えることで、免疫力アップにつながります。

 

<腸内環境を整え免疫力を高める食品>


(発酵食品)乳酸菌やビフィズス菌、麹菌、酵母菌などの善玉菌が含ま

れている。

(例)ヨーグルト、納豆、味噌、ぬか漬け、キムチ、甘酒、酢、醤油など

(オリゴ糖と食物繊維)善玉菌のエサになり、善玉菌の増殖を助ける。

・オリゴ糖を多く含む食品:野菜類(玉ねぎ、ごぼう、ネギ、にんにく、アスパラガス)

  果物:(バナナ)豆類(大豆)

・水溶性食物繊維を多く含む食品:大麦(押し麦、もち麦)野菜類(ごぼう、人参、オクラ、ブロッコリー、ほうれん草など)豆類(納豆)海藻、きのこ、芋類(里芋、こんにゃくなど)

 

<手軽に毎日続けられる、腸内環境を整える食事の工夫>

・ご飯は麦ご飯にする

・納豆、キムチ、ぬか漬けなど発酵食品を冷蔵庫に常備(最近は簡単にぬか漬けのできるキットもあります)(塩分の多いものなのでとり過ぎには注意)

・間食やデザートに、ヨーグルト+きなこ、果物、甘酒をとる

・味噌汁は具だくさんする(野菜、きのこ、わかめなど)

・サラダにはブロッコリー、人参、わかめ、オクラ、アスパラガスなどをプラス

 玉ねぎを使ったドレッシングもおすすめ

・惣菜を買う時は、ほうれん草ごま和え、ひじき煮物、きんぴらごぼうなどを選ぶ

 

 

免疫力を維持するには、毎日の積み重ねが大切です。コロナ禍で生活スタイルが変化している今こそ、食事を見直していきたいですね。

2021年5月17日月曜日

コロナ太り?

 Q:コロナ自粛の中で、体重が増えてしまいました。元に戻すにはどうしたらいいですか?

 

A:いわゆる「コロナ太り」という言葉もすっかり耳慣れてきましたね。コロナ自粛の影響で日本では約4割の人が、体重が増えたという報道もあります。


 外出が減ったことによる運動不足、食べ過ぎ飲み過ぎによる摂取カロリー過多など、いろいろな要因が関連していますが、体重が増えると生活習慣病のリスクが高まり、腰痛、膝痛の要因になるデメリットも。


<「コロナ太り」を解消!毎日の生活に取り入れたい食習慣>


コロナ太りは偏った食生活が大きな原因の一つ。不規則な時間に食事をしたり、

インスタント食品ばかり食べたり、ダラダラとお菓子を食べたりしていませんか?まずは食生活を見直すところから始めましょう。


(食事のポイント)


・食べる時間を決め、欠食しないで3食規則正しくとる。

(朝、昼、夕、毎食同じ時間に食べる。寝る3時間前は食べない)


・バランスよく食べる

(主食(ご飯パン麺など)、主菜(肉魚卵大豆などのおかず)、副菜(野菜)をそろえる)


・ゆっくりよく噛んで食べる(最低20分かけて食べる。食べ過ぎ予防にもなる)


・間食は時間と量を決めて(15~16時の間に食べる。200Kcal以内のものに。食物繊維やビタミンの摂れるナッツや果物、乳製品がおすすめ)


一見当たり前のように見えますが。正しい食生活が基本です。

まずは普段の生活に無理なく取り入れられることからはじめるといいでしょう。

 

感染対策をしながらこまめに体を動かしましょう。

ウォーキングやストレッチ、ラジオ体操など体を動かすことで気分転換にもなり、ストレス解消にもつながります。けん玉もおすすめです。 

 

2021年3月17日水曜日

おすすめ春野菜は?

 3月に入りいろいろな春の野菜がお店に出るようになりましたが、あまり見かけない珍しいものが多いので、おすすめの春野菜をおしえてください。

 

<春キャベツ> 

(平性、甘味)胃腸を丈夫にして気を補強する。整腸作用もある。葉がみずみずしく、やわらかいのが特徴。ふんわりとした口当たりなので生食に向いています。炒め物や浅漬けもおすすめですが、葉が薄いので炒め過ぎ、漬け過ぎは注意です。切り口が新鮮で葉の巻きがゆるいものを選びましょう。

 

<新じゃがいも>

(平性、甘味)胃腸を丈夫にして気を補強する。

収穫後あまり時間を置かず新鮮なまま出荷されます。そのため、水分量が多く、香りが強いことが特徴。皮が薄いので皮は剥かずそのまま調理することをおすすめします。揚げ物やグリルに向いています。さっと蒸して塩やバターで食べても美味しいです。

 

<新玉ねぎ> 

(温性、甘辛味)体を温め、気と血を補って巡りも良くする。

甘味が強くみずみずしいのが特徴。薄くスライスしてポン酢やサダラが合います。加熱した時のトロリとした食感も魅力的。ホイル蒸しや丸ごとスープ煮もおすすめです。

 

<さやえんどう> 

(平性。甘味)胃腸の機能を高め気を巡らせる。体の余分な水分を除く。

さやえんどうは、中に豆が出来るより前の段階で収穫し、さやごと食べるものを言います。より豆が成長したものがグリンピース、さらに成長したものがえんどう豆となります。同じ食物ではあるものの、さやごと食べることでより野菜感を強く感じます。シャキシャキとした歯ごたえが魅力です。

 

 <うど> 

(微温性、辛味苦味)体内の余分な湿気を除き、頭痛や関節の重い痛みを改善。

香りが高くみずみずしいのが特徴。皮を剥いて一口大にカットして水にさらせば  

あくが抜けます。酢味噌や味噌マヨなどつけて生で食べるのが美味しくて簡単。

 

<タラの芽> 

(寒性、苦味)体にこもる熱を冷まし炎症を抑えたり、解毒作用もある。

タラの木の若芽のこと。山菜の王様とよばれています。天ぷらだけでなく汁物や炒め物も美味しい。体を冷やす食材なので、食べ過ぎは注意。

 

<ふき> 

(温性、苦味)解毒作用。咳を鎮め痰を出しやすくする。

下処理したふきを、だし汁で煮て醤油をほんの少し加えた程度で美味しくいただけます。全体に張りがあり、ピンとしているものを選びましょう。


<ふきのとう> 

(温性、苦味)ふきの効能に加えて、健胃作用がある。

ふきの花の蕾のこと。独特の香りとほろ苦さが特徴。ポリフェノールが含まれて いて胃腸の働きを整えてくれます。天ぷらやふき味噌が有名。蕾がまだ固く閉じていて乾燥していないものを選びましょう。

 

 

春野菜に含まれるほろ苦さは、余分な熱を取り気持ちを安定させ、寒い冬の間、新陳代謝が悪くなって貯まった老廃物を排出するデトックス効果があります。

おすすめ春野菜を紹介してきましたが、食べてみたい、料理してみたと少しでも思っていただけたら幸いです。

春野菜を食べて、心も体もリラックスして、環境変化の大きい春の季節を乗り切りましょう。